2006年02月21日

移動ドと音階の話(5)

伝統的な琉球音階ドミファソシで
シの音は微妙な問題があります

それは(4)で大工先生のBBSを紹介しそこでも触れられていましたが
西洋音階のシより、音程が若干低いということです
以前読んだ沖縄古典音楽の本(題名を失念してしまいましたが)の中でも
中国から伝統音楽をやられている方が沖縄にいらっしゃって
琉球の伝統音楽を聴いて、中国ではもうなくなってしまった若干低いシの音が
沖縄にまだ健在している事を驚いていたと言うような記事がありました

この微妙に低いシの音が琉球の伝統的な雰囲気を醸し出しているのだともいえると思います
同じようにインドネシアの伝統的な民族音楽の音階は
ペロッグ音階とスレンドロ音階の2種類と言われています
ペロッグ音階は琉球音階に良く似ているし
スレンドロ音階は律音階、民謡音階に良く似ています
さらに琉球音階に良く似たペロッグ音階において、ミとシは微妙にフラットしています

私達が琉球の伝統的な音楽の勉強にさらに奥に踏み込む時に
このシの音
勘所で言えば合をドとした時の尺や
四をドとした時の六(二揚げ、三下げの時は七←このことについては次回に説明)の音をいかに取るかが大事な要素になってくると思います
(つづく)

このシリーズの結論の一つを先に述べておくと
沖縄の伝統的な音楽を勉強するのにもっとも大切なことは
表面上の知識や音程やリズム、節回しの習得ではなく
その習得をしていく過程の中で
師匠や先達からいかに心を学ぶかと言う事です
最初は音程やメロディー、リズムの取り方に終始する感はあるでしょうが
踏み込んでいけば踏み込んでいくほど
レッスンの時、目に見えない様々な情報が師匠から滲み出し
自分を包むのが感じられます
その情報こそが、その人(師匠)の唄・三線を構築しているその人(師匠)の歩んできた道と
その人(師匠)を育んできた豊穣な世界そのものなのだと思います
そしてそれを感じ取り受け取ろうと努力する事が口伝なのではないでしょうか
またCDなどの音源によっても心、気持ちなどがメロディーの端々から滲み出てくるのを感じるものです
その心をいかに学び取るか(学ぶのでなく学び取る、即ち、お客様然として与えられるのを待ち、ただ受け取るのではなく、踏み込んで積極的に掴む事・盗む事。それには日々の精進と工夫が必要)だと思います。

かく言うコバも昨年の4月以来個人レッスンを受けていないなー
来る4月の訪沖で個人レッスンを申し込んでいるので
今から楽しみにしています
そして5月には2年ぶりの師匠の札幌ライブとさっぽろ八重山うた会々員との対面レッスンです
春が待ち遠しい


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Posted by コバ at 13:26 │教室