移動ドと音階の話(1)

コバ

2006年01月30日 15:48

音楽の基本、音階の話
ドレミファソラシドという音階は皆さんご存知だと思います
音の高さは空気の振動の速さで決まります
ピアノやシンセサイザーなどで音を出す時
ラの音は1秒間に440回振動するので440Hz(ヘルツ)といいます
このときのドを固定ドといいます(要するに五線譜に書かれたままの音の読み方)
振動が速ければ速いほど音は高くなり
遅くなると音は低くなります(これは人の声も同じで、声帯を振るわせる速さで音の高さが決まります)

ところが唄は、その人の声の高さで歌います
三線弾きに判りやすく言うと
合の音をドと考えて、調弦(チンダミ)はそれぞれの高さ四=Cだったり、三=Bだったり
二=A#の高さのように自由に変えます
それども合は合、ドはドですね
これを移動ドといいます

三線は移動ドを用います

童謡「ちょうちょ ちょうちょ」を例にとって見ます
ちょ(ソ)う(ミ)ちょ(ミ)、ちょ(ファ)う(レ)ちょ(レ)
な(ド)の(レ)は(ミ)に(ファ)と(ソ)ま(ソ)れ(ソ)    ( )内は音階

ここで再び移動ドの考えを持ってきます
三線の中弦の開放音(四)をドと考えます
すると「ちょうちょ ちょうちょ」のソミミファレレ、ドレミファソソソは
「ちょ工(ソ) う中(ミ) ちょ中(ミ)、 ちょ尺(ファ) う上(レ) ちょ上(レ)
な四(ド) の上(レ) は中(ミ) に尺(ファ) と工(ソ) ま工(ソ) れ工(ソ)」
となります。
    ※ひらがなは歌詞、漢字は三線の楽譜工工四、( )内は西洋音階ドレミファソラシ

次に男弦の開放音(合)をドと考えます
すると同じちょうちょちょうちょでも
「ちょ上(ソ) う老(ミ) ちょ老(ミ)、 ちょ四(ファ) う乙(レ) ちょ乙(レ)
な合(ド) の乙(レ) は老(ミ) に四(ファ) と上(ソ) ま上(ソ) れ上(ソ)」
となります。

同じ曲でも中弦をド(根音といいます)と考えるか、男弦をド(根音)と考えるか自由に選択できます
その際、中弦=ドとするのと男弦=ドとするのではキーの高さが違うと言えます。
つまり中弦をドとしたほうが、男弦をドとした時より高い声で歌わなければなりません。
(つづく)

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